消されゆくチベット
著者: 渡辺 一枝
いま起きている真実
弾圧下で、したたかに生きる人たちがいる。
 二○○八年の騒乱以降、チベットの文化や伝統を消し去ろうとする圧力はより一層強められている。宗教活動の制限、チベット語教育への介入、天然資源の無秩序な採掘、厳しい言論統制など、中国による政治的、文化的弾圧は年々深刻化している。
 だが、チベット問題は、今、世界を覆うグローバル経済の面からも見る必要がある。そして、伝統や文化の継承は風前の灯のように見えるが、厳しい状況下でも懸命に文化や伝統を守り抜こうとするチベット人たちが多く存在するのだ。
 長きにわたって現地を取材してきた著者が、独自のルートでチベットの現況を詳細にルポルタージュする。

[著者情報]
渡辺 一枝(わたなべ いちえ)
一九四五年、ハルビン生まれ。一九八七年に一八年間の保育士生活に終止符をうち、作家活動に入る。チベット、中国、モンゴルへ旅を続けている。著書に『叶うことならお百度参り チベット聖山巡礼行』(文藝春秋)、『チベットを馬で行く』(文春文庫)、『わたしのチベット紀行 智恵と慈悲に生きる人たち』(集英社文庫)など多数。『マガジン9条』発起人の一人。

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