ギフティッドの子どもたち
著者: ⻆谷 詩織
「ギフティッド」とは天才児、あるいは発達障害児のことだと思っている人は多い。
しかし並外れた才能はあるが天才とは限らないし、必ずしも発達障害を伴うものではない。
障害と才能が相互に隠し合うという点でサヴァン症候群とも異なる。
ギフティッド児の多くは、乳児期からみられる感覚過敏や繊細さ、強烈な興味関心を持つ。
それゆえ保護者は子どもの類稀な才能そのものではなく、生育の難しさや生活の困難さから「この子はほかの子と違う」と当惑することは少なくない。
そもそもギフティッドとはどんな特徴があるのだろうか。
ギフティッド児を理解するための一助となる一冊。

【主な内容】
・ギフティッドの可能性に気づく入り口は「才能」ではなく「困難」や「違和感」
・ギフティッドかどうかの判定が必要なのは子どもが困難を経験している時
・ADHDとの違い
・サヴァン症候群との違い
・90%以上は天才ではない
・「すべての子どもに才能がある」との違い
・ギフティッドかどうかの判定方法
・判定基準は「困難」ではなく「才能」
・学業ギフティッドと知的ギフティッド
・ギフティッド児の特徴と応じ方の例
・代表的なギフティッド教育制度――早修・拡充・能力別編成
・ギフティッド児を育てる親の覚悟
・枠からはみ出る前提で、しかし、言い訳にはしない
・独りではないというメッセージを送り続ける

【著者プロフィール】
⻆谷詩織(すみや・しおり)  
上越教育大学大学院学校教育研究科教授。
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。
博士(人文科学)。
専門は発達心理学・教育心理学。著書に『生活のなかの発達―現場主義の発達心理学』(新曜社・分担執筆)、訳書に『わが子がギフティッドかもしれないと思ったら―問題解決と飛躍のための実践的ガイド』(春秋社)、『ギフティッド その誤診と重複診断―心理・医療・教育の現場から』(北大路書房・監訳)、『8歳までに経験しておきたい科学』(北大路書房・共訳)などがある。

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