ギュンター・グラス 「渦中」の文学者
著者: 依岡 隆児
『ブリキの太鼓』、社会民主主義活動、元ナチス親衛隊員、イスラエル批判……
世界を「翻弄」するノーベル賞作家、日本初の評伝。
 小説『ブリキの太鼓』で世界的に知られる、現代ドイツを代表するノーベル文学賞受賞作家ギュンター・グラス。社会民主主義者であり、政治活動も厭わない「行動する作家」でもあるが、自伝的小説『玉ねぎの皮をむきながら』において、かつてナチスの武装親衛隊員だったことを告白し、全世界に衝撃を与えた。近年もドイツ社会のタブーともいえるイスラエル批判を行い物議をかもすなど、八〇歳を越えてなお世界を「翻弄」し続けている。常に「渦中にいる」この大作家の実像を、気鋭のグラス研究者が明らかにする。

[著者情報]
依岡 隆児(よりおか りゅうじ)
一九六一年高知県生まれ。筑波大学第2学群比較文化学類卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。徳島大学総合科学部教授を経て、同大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部教授。専門はドイツ文学、比較文学・比較文化学。著書に『ギュンター・グラスの世界-その内省的な語りを中心に』(鳥影社)、訳書にギュンター・グラス『玉ねぎの皮をむきながら』(集英社)など。

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