ニッポンの恐竜
著者: 笹沢 教一
「図鑑から消えた」イナイリュウ
「ぼろぼろの骨を接着剤で固めた」モシリュウ
「一人の高校生が発見した」フタバスズキリュウ
日本列島に眠っていた<怪物>たちの、数奇な運命。
 日本では、恐竜や海竜の化石に「リュウ」の名が付けられる。ニッポンリュウ、モシリュウ、フタバスズキリュウ、フクイリュウ……。それらは学名ではなく愛称にすぎないが、多くの人々が「リュウ」の響きに魅せられ、魔力にとりつかれてきた。そして、かつては恐竜不毛の地と言われた日本で、続々と「リュウ」たちの化石が発掘されるようになった。本書は、緻密な取材によって、太古の怪物たちの亡骸と格闘した人々と、化石たちの辿った数奇な運命に迫る、本邦初の「国産恐竜発掘史」である。

[著者情報]
笹沢 教一(ささざわ きょういち)
一九六五年群馬県生まれ。東北大学理学部卒業。読売新聞東京本社科学部記者。二〇〇二?〇六年米ワシントン特派員。〇八年度米ウッズホール海洋研究所ジャーナリズムフェロー。日本古生物学会、米古脊椎動物学会(SVP)会員。著書に『僕が「火星」を歩いた日』(新潮社)『恐竜が動きだす』(中央公論新社)など。

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