<ヴィジュアル版>
藤田嗣治 本のしごと
著者: 林 洋子
パリ時代のオリジナル版画入り豪華本から、妻のために本の見返しに描いた肉筆画まで
フジタが愛した装本の世界
 この本では、画家・藤田嗣治が八十年を超える生涯の中で、母国に本や第二の祖国となったフランスなどで関わった「本のしごと」ー書籍や雑誌を対象とした表紙絵や挿絵ーから約九十冊を、新たに公開された彼の旧蔵書を核として、国内の公共図書館、美術館や個人のコレクションを交えて紹介します。藤田にとって本のしごとは、著者、編集者、デザイナーらとの協働という点で、絵画制作とは一線を画すものですが、それゆえにかえってくつろいだ柔軟性といまなお新鮮な独創性を見せる作例が生まれたのでしょう。
 パリ時代のオリジナル版画入り豪華本から、日本でのモダンな女性誌や戦時下の出版まで、そして愛妻のために見返しに少女像を描いた一冊など、貴重な図版を200点以上収録。画家が遺した美しい本の世界を巡ります。

[著者情報]
林 洋子(はやし ようこ)
一九六五年、京都生まれ。京都造形芸術大学准教授。東京大学文学部卒業、同大学院、パリ第一大学博士課程修了。東京都現代美術館学芸員を経て現職。博士(パリ第一大学)。専門は美術史、美術評論。著書に『藤田嗣治 手しごとの家』(集英社新書)、共著に『藤田嗣治の絵画技法に迫る:修復現場からの報告』(東京藝術大学出版会)などがある。『藤田嗣治 作品をひらくー旅・手仕事・日本』(名古屋大学出版会)で第三十回サントリー学芸賞、第二十六回渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン ジャパン特別賞ほかを受賞。

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