ゲノムの子
世界と日本の生殖最前線
著者: 石原 理
いま、私たちが語るべき“希望”とは――。
30年以上にわたり「命」を見つめてきた産婦人科医が問う、真の多様性。

2020年のノーベル化学賞受賞により改めて注目された「ゲノム編集」。
とくに、医療面における治療技術の開発は現実的かつ切実な願いであることは間違いありません。
しかし、ゲノムについて臨床現場から発信されている一般書はほとんどなく、なかでも生殖医療とゲノム編集のかかわりについては議論が避けられがちというのが実情です。

本書では、生殖医療の最前線に携わる産婦人科医であり生殖内分泌学者の著者が、今、私たちに問われている「ゲノム」の意味を思索。
これまでの研究やデータを紐解くとともに、自ら世界中の専門家にインタビューし、その対話をヒントにゲノム編集と私たちの未来をどう理解すべきか、エッセイ調の筆致でわかりやすく解説します。
「子どもを持つ意味」「家族とは」「生命倫理について」など、みなさんに他人事としてではなく考え、議論することを呼びかける一冊です。

【目次】
1 ゲノム編集の深淵
2 子どもを持つこと、持たないこと
3 卵子、精子をもらうこと
4 遺伝情報を伝えること、変えること、組み合わせること
5 生殖あるいはセックスとは
6 命の選別
7 「生命倫理」という弁解、あるいは虚構・幻想
8 約束のかたち
9 総括

【著者プロフィール】
石原 理(いしはら おさむ)
1954年東京都生まれ。
女子栄養大学栄養学部教授(臨床医学)および女子栄養大学栄養クリニック所長。
埼玉医科大学名誉教授。
1980年、群馬大学医学部卒業後、東京大学医学部産婦人科助手などを経て、2002年から埼玉医科大学産科婦人科学教授、2022年から現職。
専門は生殖内分泌学、生殖医療、生殖人類学。
一般向け著書に、『生殖革命』(ちくま新書)、『生殖医療と家族のかたち』(平凡社新書)、『生殖医療の衝撃』(講談社現代新書)などがある。

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