北朝鮮とイラン
著者: 福原 裕二 吉村 慎太郎
ウクライナ戦争後、国際政治上の最大の焦点。

時のアメリカ大統領に「悪の枢軸」と名指されてから20年。
2つの国家は、なぜ「核」を通じて既存の秩序に抗うのか。
そして、今後の展望とは――?

現地の情勢を知悉する専門家が、その正体に迫る!

◆内容紹介◆
二〇〇二年、米国ブッシュ大統領の一般教書演説で「悪の枢軸」と名指された北朝鮮とイラン。
負のイメージで覆われた二つの国家は、なぜ「核」問題を通じて既存の国際秩序に抗い、二〇年後の現在もなお、世界の安全保障の台風の目であり続けるのだろうか?

本書は、長年にわたって現地調査を行い、両国の「素顔」を知悉する専門家がタッグを組み、その内在的な論理に接近した注目の論考である。
核兵器拡散の脅威が日々高まるなか、負のレッテルの向こう側にある「正体」の理解抜きに、混乱を極める国際政治の将来は語れない。

◆目次◆
はじめに 福原裕二・吉村慎太郎
第一部 北朝鮮の「正体」 福原裕二
    ――メタ・フィクションな国家・社会
 第一章 内部で何が起きているのか?
 第二章 理想と現実のズレ
 第三章 核問題の展開
 第四章 北朝鮮にとっての「安全の保障」
 終章 「悪の枢軸」の亡霊からの解放

第二部 イランの「正体」 吉村慎太郎
    ――米・イ対立の展開を中心に
 第一章 現代史に見るイランの抵抗と挫折
 第二章 革命下のイランと「大悪魔」米国
 第三章 米国の政策とイラン――深まる不信感と敵意
 第四章 イランの「党派対立」と米国――九・一 一から「悪の枢軸」発言へ
 第五章 「核兵器開発」疑惑の変転とイラン
 終章 複合的な米・イ対立と現在
おわりに 吉村慎太郎


◆著者略歴◆
福原裕二(ふくはら・ゆうじ)
1971年生まれ。島根県立大学教授。専門は、朝鮮半島の政治・外交。
著書に『北東アジアと朝鮮半島研究』(国際書院)など。

吉村慎太郎(よしむら・しんたろう)
1955年生まれ。広島大学名誉教授。専門は、イラン近現代史、中東国際関係。
著書に『イラン現代史』(有志舎)など。

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