女性差別はどう作られてきたか
著者: 中村 敏子
医科大学での女性受験生一律減点問題など、現代においても「女性である」ことによる差別はなくならない。
それどころか、日本はジェンダーギャップ指数で世界の下位にいる。
なぜ、女性を不当に差別する社会は生まれてしまったのか。
長年ホッブズや福沢諭吉研究に携わってきた著者が、女性差別が生まれるまでの過程を、政治思想史の観点から分析。
西洋と日本で異なるその背景を「家父長制」という概念により読み解く。

◆小島慶子氏(エッセイスト)推薦!◆

ジェンダーの観点から思想史を読み解く、平易で明快な筆致に引き込まれます。

【目次/主な内容】
はじめに 何が問題なのか

第I部 西洋における女性差別の正当化根拠――神・契約・法

第1章 神の創造した世界における女性差別
第2章 社会契約にもとづく国家における女性差別
第3章 法における女性差別
第4章 男女の対等性に基づく社会構想―――ホッブズの権力論
第5章 社会の変化と女性への影響

第II部 日本における女性差別の言説と実態―――儒教・「家」・明治民法
 
第1章 イデオロギーとしての儒教
第2章 「家」における夫婦関係
第3章  明治国家による家父長制形成の試み
第4章  夫婦関係から始まる理想社会の構想――福沢諭吉の文明社会論
第5章  現代の日本につながる問題
第6章 「性別分業」が作る家父長制構造

おわりに 何をめざすのか

【著者プロフィール】
中村敏子(なかむら としこ)
1952年生まれ。政治学者、法学博士。北海学園大学名誉教授。75年、東京大学法学部卒業。東京都職員を経て、88年北海道大学法学研究科博士後期課程単位取得退学。
主な著書に『福沢諭吉 文明と社会構想』『トマス・ホッブズの母権論――国家の権力 家族の権力』。翻訳書に『社会契約と性契約――近代国家はいかに成立したのか』(キャロル・ぺイトマン)。

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