いま、なぜ魯迅か
著者: 佐高 信
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魯迅に学ぶ「批判と抵抗の哲学」
「まじめナルシシズム」を捨てよ!

「会社国家」であり、「官僚国家」でもある日本では、「精神のドレイ」が主人の意向を先取りする、いわゆる忖度が大流行りである。
まじめ主義者と多数に従ういい人ばかりのこの国に、いま必要なのが魯迅の「批判と抵抗の哲学」だ。
魯迅を自らの思想的故郷とする著者が、血肉となった作品を論じ、ニーチェ、夏目漱石、中野重治、竹内好、久野収、むのたけじら、縁の深い作家・思想家を振り返る。
「永遠の批評家」魯迅をめぐる思索の旅は、孤高の評論家の思想遍歴の旅でもある。

「はじめに」より
私が名づけた「まじめナルシシズム」の腐臭はそこから立ちのぼる。
魯迅がそうした腐臭と無縁なのは、己れの力などなにほどのものでもないことをハッキリ知っているからであり、
「努力」が報われがたい"現実"であるからこそ、「絶えず刻む」努力が必要であることを知っているからである。
「私は人をだましたい」や「『フェアプレイ』は時期尚早」といった魯迅の刺言を読んで、私は「至誠天に通ず」式のマジメ勤勉ナルシシズムから自由になった。

目次
はじめに──いま、なぜ魯迅か
第一章 一九〇四年秋、仙台
第二章 エスペラントに肩入れした魯迅と石原莞爾
第三章 満州建国大学の夢と現実
第四章 上野英信の建大体験
第五章 故郷および母との距離
第六章 魯迅とニーチェの破壊力
第七章 死の三島由紀夫と生の魯迅
第八章 夏目漱石への傾倒
第九章 中野重治と伊丹万作の魯迅的思考
第十章 久野収と竹内好の魯迅理解
第十一章 竹内好の太宰治批判とニセ札論
第十二章 魯迅の思想を生きた、むのたけじ
第十三章 魯迅を匿った内山完造
第十四章 魯迅の人と作品
おわりに

著者プロフィール
佐高信(さたか・まこと)
1945年、山形県酒田市生まれ。評論家。慶應義塾大学法学部卒業。高校教員、経済誌編集長を経て、現職。
「憲法行脚の会」呼びかけ人の一人。「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」共同代表。
著書に『未完の敗者 田中角栄』『自民党と創価学会』『敵を知り己を知らば』、共著に『保守の知恵』『安倍政権を笑い倒す』『戦争と日本人』『原発と日本人』『国権と民権』など多数。

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