戦後と災後の間
――溶融するメディアと社会
著者: 吉見 俊哉
歴史の「裂け目」をいかに生きるか?
 フクシマ、トランプ、東京五輪問題に、パナマ文書、ポケモンGOのブーム、公文書管理の闇、そして日常に迫るテロリズム……。近年起きた無数の出来事が示すのは、メディアと社会の溶融である。
 本書では、東日本大震災後という意味での「災後」の二〇一〇年代に足場を置き、安倍政権とほぼ重なる「災後」の近景、それを一九九〇年代半ばからの変化として捉える中景、さらに戦後日本、なかでも七〇年代頃からの歴史に位置づける遠景の三重の焦点距離を通して戦後と災後の間を考察。未来への展望を示す。

[著者情報]
吉見俊哉(よしみ しゅんや)
一九五七年、東京都生まれ。東京大学大学院情報学環教授。ハーバード大学客員教授。社会学、都市論、メディア論、文化研究を主な専門とし、日本のカルチュラル・スタディーズにおいて先導的役割を果たす。著書に、『都市のドラマトゥルギー』『博覧会の政治学』『親米と反米』『ポスト戦後社会』『万博と戦後日本』『夢の原子力』『大学とは何か』『「文系学部廃止」の衝撃』『視覚都市の地政学』『大予言 「歴史の尺度」が示す未来』など。

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