「在日」を生きる
ある詩人の闘争史
著者: 金時鐘 佐高 信
「在日」とは、融和を生きること
「在日」を知ることは共存を学ぶこと
反骨の言論人・佐高が迫る
反抗の伝説的詩人の世界
 日本の植民地時代の朝鮮釡山に生まれ、熱烈な皇国少年として育った詩人・金時鐘。一九四五年八月一五日、日本の敗戦を境に、強制された日本語でしか言葉の彩を感じ取れない自身の分裂したアイデンティティに気づく。
 そして、朝鮮戦争前夜の米軍の政庁下で勃発した済州島での凄惨な弾圧から脱出し、日本に暮らすことになった金。古里との分断、在日社会における南北の断層、差別、数多くの歴史の修羅場を詩人として、教師として越えてきたその抵抗と創作の闘争史を、反骨の言論人・佐高信が聞く。ヘイト事件が後を絶たない現代日本において「在日」を生きることの意味を投げかける、在日一世の闘う表現者の戦後史。

[著者情報]
金時鐘(キム シジョン)
一九二九年、釡山生まれ。詩人。戦後、済州島四・三事件で来日。日本語による詩作、批評、講演活動を行う。著書『朝鮮と日本に生きる』(岩波新書)で第四二回大佛次郎賞受賞。『原野の詩』(立風書房)他著作多数。

佐高 信(さたか まこと)
一九四五年、山形県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。高校教師、経済誌編集長をへて評論家に。「週刊金曜日」編集委員。『自民党と創価学会』『丸山眞男と田中角栄 「戦後民主主義」の逆襲』(集英社新書)等著書多数。

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