列島縦断
「幻の名城」を訪ねて
著者: 山名 美和子
鉄筋コンクリート造りの城では満足できない人へ
安土城、渋谷城、小谷城、今帰仁城、シベチャリチャシなど全国48選
 本書が扱うのは、何層もの天守閣がそびえる「国宝の名城」ではない。見事な構造を備えながらも朽ちていき、今は遺構を残すのみの場所だ。
 しかし、縄張を思い浮かべながら城址を歩けば、「ここで攻撃隊は足止めを受け、矢や鉄砲を雨あられのように食らっただろう」と、攻防戦が想像できる。悲劇の場に立てば、彼らが最期に見た景色に思いをはせることになる。廃墟となったかに見える場所も、雄弁に歴史の記憶を語るのだ。鉄筋コンクリート造りの、観光客だらけの城では満足できない人へ贈る、全国の名城四八選。

[著者情報]
山名美和子(やまな みわこ)
東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、東京・埼玉の公立学校教員を経て作家に。一九九四年、『梅花二輪』で第一九回歴史文学賞入賞。著書に『甲斐姫物語』(鳳書院)、『乙女でたどる日本史』(大和書房)、『恋する日本史 やまとなでしこ物語』『真田一族と幸村の城』(KADOKAWA)、『直虎の城』(時事通信社)、共同執筆に『週刊 名城をゆく』(小学館)、『週刊 名将の決断』(朝日新聞出版)など多数。日本文藝家協会会員・日本ペンクラブ会報委員会委員。

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