シリーズ〈本と日本史〉 3
中世の声と文字
親鸞の手紙と『平家物語』
著者: 大隅 和雄
鎌倉新仏教は手紙のやりとりから生まれた!
日本中世史学の泰斗による画期的入門書!
〈本と日本史〉は「本」のあり方から各時代の文化や社会の姿を考え、当時の世界観・価値観を究明する歴史シリーズである。
 本書が扱うのは、親鸞聖人の手紙や『平家物語』などの「声の記録」だ。その当時、文字を知らない大多数の民衆には「声」によって文化や思想が伝えられていた。親鸞聖人が遠隔地の弟子に向けて語りかけるように書いた、情感溢れる手紙を読み解き、当時の知識人と民衆の関係性を鮮やかに描き出す。
 また、同時期に成立した『平家物語』にも触れ、「声」が「文字」として書き留められることで成立した中世文化の誕生の背景を解き明かす。日本中世史学の泰斗による、研究の集大成となる一冊。

[著者情報]
大隅和雄(おおすみ かずお)
一九三二年福岡県生まれ。日本史学者。東京女子大学名誉教授。一九六四年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。網野善彦との共編著『大系 日本歴史と芸能』(平凡社・日本ビクター)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。著書に『愚管抄を読む』『事典の語る日本の歴史』(講談社学術文庫)など。

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