非線形科学
同期する世界
著者: 蔵本 由紀
なぜ何万匹ものホタルの明滅が完全に揃うのか…etc
脅威の現象「同期」の謎を解く。
世界的権威、待望の新刊!
 何万匹ものホタルが同時に明滅する、吊り橋上を歩く集団の歩調が自然に揃って橋が大きくたわむ……これら驚くべき現象はすべて「同期(シンクロ)現象」によるものだ。
 同期現象は単に奇妙な現象というだけではない。心拍や体内時計といった生命維持活動にも関与し、最新のロボット制御システムの鍵を握るなど、実は我々の生命や社会を形作る上で欠かせない物理現象なのだ。しかし従来の科学手法では解くことができず、「非線形科学」の最新研究によって明らかになったのだ。
 著者は同期現象を記述する「蔵本モデル」を編み出したこの分野の第一人者。本書は我々の身近に起こる同期現象を数式を使わずに解説しつつ、世界を支配する知られざる法則を解き明かす。

[著者情報]
蔵本由紀(くらもと よしき)
一九四〇年生まれ。京都大学理学部卒業後、同大学大学院理学研究科修士、博士課程修了。九州大学理学部助手を経て、一九七六年に京都大学理学部助教授。一九八一年より同大基礎物理学研究所教授、理学部教授、大学院理学研究科教授を歴任し、二〇〇四年に定年退官後は京都大学名誉教授。二〇一三年より国際高等研究所副所長。「同期現象などをめぐる非線形科学の先駆的研究」により二〇〇五年度朝日賞受賞。著書に『非線形科学』(集英社新書)など。

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