長崎グラバー邸 父子二代
著者: 山口 由美
明治維新の陰の立役者、武器商人の父、
原爆投下後に命を断った、長崎を愛した息子。
近代日本の激動を駆け抜けた二人のドラマ。
 観光名所として訪れる人が絶えない日本最古の木造西洋風建築、長崎の旧グラバー住宅(グラバー邸)。かつてそこには、維新の重要人物トーマス・ブレーク・グラバーと、息子の倉場富三郎が住んでいた。武器商人として、維新の陰の立役者として、激動の時代を駆け抜けた父と、後世に残る魚譜(グラバー魚譜)を残しながら原爆投下からまもなく自殺した息子ー。二人の生涯は、近代日本の成り立ちを象徴するかのようである。幕末・維新から第二次大戦終結までの、日本の栄枯盛衰と重なり合う父子二代の歴史ドラマを活写する。

[著者情報]
山口 由美
一九六二年神奈川県箱根町生まれ。ノンフィクション作家。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。海外旅行とホテルの業界誌紙のフリーランス記者を経て作家に。ノンフィクション、小説、紀行、エッセイ、評論など幅広い分野で執筆している。著書に『帝国ホテル・ライト館の謎』(集英社新書)、『消えた宿泊名簿?ホテルが語る戦争の記憶』(新潮社)、『旅の窓から』(千早書房)他。

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