プルーストを読む
―『失われた時を求めて』の世界
著者: 鈴木 道彦
最高のプルースト入門意識や夢、記憶、愛、ユダヤ人、同性愛、文学の意義ーー現代の問題をプルーストが抉り出す。
プルーストは二十世紀西欧を代表する作家で、世界の文学に絶大な影響を与えた。フランスでは彼を読まずに文学に志す人はいないと言っていいほどで、その評価は時代とともにますます高まってきている。十九世紀末から「ベル・エポック」にかけての社会を華やかに描き上げた作家であるとともに、現代文学の先駆者でもある。彼の扱った意識や夢、記憶、愛、スノビズム、ユダヤ人、同性愛、文学の意義などは、今日の問題であり続けている。本書は、大作『失われた時を求めて』の個人全訳を完成した著者が、重要なテーマをスケッチしながら作品を紹介・解説する、贅沢な入門書。密度が濃く、大部な作品を堪能した充実感で、入門者も研究者も満足できる。

[著者情報]
鈴木 道彦 (すずき みちひこ)
一九二九年、東京生まれ。東京大学文学部仏文学科卒業。一橋大学教授、獨協大学教授を経て、獨協大学名誉教授。『プルースト論考』(筑摩書房)『異郷の季節』(みすず書房)など著書訳書多数。プルースト研究では国際的にも知られる。『失われた時を求めて』(全十三巻、集英社)の訳業で二〇〇一年度の日本翻訳文化賞と読売文学賞を受賞。同書の抄訳上下(集英社)と三巻本抄訳(集英社文庫)も刊行されている。
  • 発売日:2002年12月17日
  • 定価:本体860円+税
  • ISBN:4-08-720175-9

カテゴリー別新書リスト

クリックするとカテゴリーの新書一覧に移動します。