写真で愉しむ
東京「水流」地形散歩
著者: 小林 紀晴 今尾 恵介(監修・解説)
湧水、河岸段丘、調整池、人工河川……。
あらゆる地形の原点は水流にあり!

旅する写真家と地図研究家、地形マニアの聖地を徹底探訪

妙正寺川、神田川、渋谷川、日暮里崖線、国分寺崖線etc.

◆内容紹介◆
凹凸、暗渠、古地図、スリバチ……。地形を愉しむのは今や、NHKの人気番組『ブラタモリ』ばかりではない。とりわけ谷が多く風景の変化も著しい東京は、土地のなりたちに親しみ、移ろいを愛する者にとっての聖地とも言える。本書では、旅する写真家と鉄道・地形ファンが信頼する地図研究家が、異色のコラボで東京の「水流」に挑戦! あらゆる地形の原点とも言える、最大の「謎」に迫る。
大判カメラで撮影したモノクロの「古地形」が哀愁を誘う一冊。

◆目次◆
まえがき 私は縄文人、未来の東京を日々撮影している 小林紀晴 
第一章 水の力、太古からの流れ──中野区弥生町
〈解説〉宅地化に追いつかなかった河川改修
第二章 地下に現れた「神殿」と「測量の人」──善福寺川
〈解説〉激動の昭和戦前史を思う
第三章 幻の土手とのどかな風景──神田川を東中野付近から下流へ
〈解説〉ヨドバシカメラの起源
第四章 暗渠の魅力と洪水対策のグラウンド──妙正寺川(1)
第五章 文豪の暮らしと「気の毒」が募る寺──妙正寺川(2)
〈解説〉結核療養の歴史
第六章 土地はどのようにして人を受け容れるのか──日暮里崖線
〈解説〉「詐称地名」
第七章 発展する都市が目を背けた川──渋谷川
〈解説〉「狭まっている地形」の名前
第八章 崖から一路、コンクリへ──国分寺崖線
〈解説〉河岸段丘のつくられ方
第九章 人工河川の魅力──小名木川
〈解説〉「本邦初」が目白押しの土地
第一〇章 映画の聖地と縄文海進──四谷・鮫河橋谷
〈解説〉冷たい湧水と四つの谷
第一一章 湿った土地に集う人々──四谷荒木町
〈解説〉スリバチの聖地
第一二章 意識にのぼらない、しかし、長い──石神井川
〈解説〉やけに風流な「名残川」
あとがき 今尾恵介

◆著者略歴◆
小林紀晴(こばやし きせい)
1968年、長野県生まれ。写真家。東京工芸大学芸術学部写真学科教授。著書に『写真学生』『days new york』『メモワール』『kemonomichi』『ニッポンの奇祭』『見知らぬ記憶』など多数。1997年『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞、2013年、第22回林忠彦賞を受賞。
今尾恵介(いまお けいすけ)
1959年、神奈川県生まれ。地図研究家。一般財団法人日本地図センター客員研究員、日本地図学会「地図と地名」専門部会主査。

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