視線がこわい
著者: 上野 玲
それは”視線恐怖症”です。
「見られない」
「見られたくない」
 異変は、ある日突然、起こった。街ですれ違う女性の顔を「見られなく」なったのだ。それは、強迫神経症のひとつである「視線恐怖」だった-。
 著者は、わが身にふりかかったこの異変を克服するため、「視線」について徹底的な調査と研究を開始する。そして、精神医学領域にとどまらず、脳科学、認知行動学、社会学へと探究のフィールドを広げていく。そこから見えてきたのは、私たちの社会が、いかに「視線」に規定され束縛されているかという事実だった。
 著者の苦闘と思考の過程を赤裸々に綴った、知的論考。

[著者情報]
上野 玲(うえの れい)
一九六二年生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学文学部卒業。精神医学、性意識、対人関係、食べ歩きなど多方面で記事を書いている。主な著書に『うつは薬では治らない』(文春新書)、『ルポ がんの時代、心のケア』(岩波書店)など。WEBマガジン「ケサランパサラン」(www.kesaranpasaran.net)の編集も行っている。

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