ドンキにはなぜペンギンがいるのか
著者: 谷頭 和希
【24歳の著者が挑む!日本の「いま」を切り取ったチェーンストア都市論】
私たちの生活に欠かせないチェーンストアは都市を均質にし、街の歴史を壊すとして批判を受けてきた。
だが、チェーンは本当に都市を壊したのだろうか。
1997年生まれの若き「街歩き」ライターはその疑問を明らかにすべく、32期連続増収を続けるディスカウントストア、ドン・キホーテを巡った。
そこから見えてきたのは、チェーンストアを中心にした現代日本の都市の姿と未来の可能性である。
ドンキの歴史や経営戦略を社会学や建築の視点から読み解きながら、日本の「いま」を見据える。

【推薦!】
■石田英敬 氏(東京大学名誉教授)
ドンキめぐりはクセになる、読み出したら止まらない、ドンペン探偵が読み解くチェーンストア記号論。

■宮沢章夫 氏(作家・早稲田大学教授)
まず「肯定する」という態度がここにはある。正直、ドンキが渋谷にできたとき、80年代の渋谷を知る者は苦い気持ちを味わった。世代的にそんなことなど関係ない著者はドンキを中心にロードサイドやショッピングモールを肯定する。そしてその「肯定」が、いま私たちを取り巻く資本の構造への、見事な批評になっている。

【目次】
序章:日本中がチェーンストア
チェーンのイメージをときほぐす
第一章:なぜ過剰な外観は生まれるのか
レヴィ=ストロースが語るドンペン/なぜドンキの外観はさまざまなのか
第二章:都市のなかの「ジャングル」
「ジャングル」としての店舗構造/驚くほど似ているドンキとヴィレヴァン/コンビニとどう共存するか
第三章:チェーンストアは新たな地域共同体である
ヤンキーとDQNとドンキと/「呼び込み君」が私たちに伝えてくれているもの/地域共同体のなかに生まれる新しい共同体
第四章:ドンキから見える日本のいま
チェーンは歴史を壊すのか?/ドンキ的な資本主義のルートへ
終章:チェーンストアの想像力
チェーンが生み出す「ゆるやかな連帯感」/オンライン化する世界におけるチェーンストアの可能性

【著者略歴】
谷頭和希(たにがしらかずき) 
ライター。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業後、早稲田大学教育学術院国語教育専攻に在籍。デイリーポータルZ、オモコロ、サンポーなどのウェブメディアにチェーンストア、テーマパーク、都市についての原稿を執筆。批評観光誌『LOCUST』編集部所属。2017年から2018年に「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。本作が初の著書。

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