赤ちゃんと体内時計
胎児期から始まる生活習慣病
著者: 三池 輝久
2歳で完成したヒトの体内時計は生涯、健康に影響する

赤ちゃんのひどい寝ぐずりや夜泣きの原因には諸説があるが、著者は長年の臨床経験から以下のように想定している。
それは「誕生直後は『超日リズム』で生活していた赤ちゃんが、乳児期になり『概日リズム』を身につけるときに、自身の体内時計と社会活動のリズムとの間でずれが生じることで、睡眠障害や不機嫌さを起こす」というものである。
この状態は赤ちゃんが”時差ぼけ”を起こしているようなもので、心身に様々な影響が出ることを意味する。
ヒトの体内時計は生後1歳半から2歳にはほぼ完成し、生涯にわたり健康に強い影響をもたらす。
本書では、体内時計の知識、睡眠障害と発達障害との関連性、睡眠治療の検証などを提示する。


【主な内容】
・体内時計の準備は胎児期後半に始まる
・概日リズムと超日リズム
・健康な乳幼児に必要な睡眠時間
・脳の海馬は睡眠欠乏に弱い
・遅刻リズムと不登校リズム
・概日リズム睡眠障害と発達障害
・眠るタイミングがつかめない赤ちゃん
・フランス人の睡眠教育
・赤ちゃんに「時間」を教えよう
・夜間授乳は定期的な覚醒のリズムを作ってしまう
・うつ、糖尿病、認知症、がんとの関連性

【目次】
はじめに―ヒトはリズムで生きている―  
第1章 ヒトと体内時計 
第2章 体内時計は発達する
第3章 赤ちゃんと概日リズム睡眠障害―発達障害との関係―
第4章 眠れない赤ちゃん―生後1カ月まで―
第5章 眠るタイミングがつかめない赤ちゃん―生後1カ月から2歳まで―
第6章 胎児期から始まる生活習慣病の予防
第7章 治療 正しい眠り方を教える―体内時計の調和を図る―
あとがきにかえて―身体のリズムを取り戻すことはできるか―

【著者プロフィール】
三池輝久(みいけ てるひさ)
小児科医、小児神経科医。一九四二年生まれ。熊本大学医学部卒業。熊本大学名誉教授。日本眠育推進協議会理事長。
三〇年以上にわたり子どもの睡眠障害の臨床および調査・研究活動に力を注ぐ。
二〇一六年、熊本県玉名地域保健医療センターにて「子どもの睡眠と発達外来」を開設。著書に『子どもの夜ふかし 脳への脅威』(集英社新書)など。

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