都市は文化でよみがえる
著者: 大林 剛郎
文化(アート)は都市再生に多大な影響を与えるものである。
しかし、アート単独、特に現代アートによる地域復興には限界がある。
アトラクティブな美術館の建設やアートイベントは一時的な集客であり、その地に住む人々にとって真に魅力的な地域となるかは別問題だ。
都市の再生や復興は、もともとそこにある文化や歴史、人々の営みを無視して成すことはできない。
本書では、金沢、岡山・瀬戸内エリア、前橋、大阪、ヨーロッパ、香港など、国内外のケースを参考にしながら、アートと都市の関係性を考える。
現代美術家の会田誠、フランスの元文化大臣ジャック・ラングとの対談も収録。

■目次
序 章 アートと都市の関係性   
第一章 美術館や現代美術を媒介者として存在させる――金沢
第二章 文化を用いて都市や地域の再生を実現
――ドイツ(エムシャー川流域)・スペイン(ビルバオ)・フランス(ナント)
第三章 「芸術は日々の一挙手一投足と同化したものでなければならない」
――ジャック・ラング×大林剛郎 対談
第四章 文化が都市に不可欠であることを市民が共有する――香港
第五章 民間と公共の連携で現代アートを都市に取り込む――岡山・瀬戸内
第六章 都市も「なるがままに任せよ」――会田誠×大林剛郎 対談
終 章 文化都市としての未来を考える――前橋・大阪

■著者プロフィール
大林 剛郎(おおばやし たけお)
公益財団法人大林財団理事長。株式会社大林組代表取締役会長。
慶應義塾大学卒業後、一九七七年、株式会社大林組入社。二〇〇九年会長に就任。
森美術館理事、原美術館評議員、パリ・ポンピドゥー・センター日本友の会代表、
英国テート美術館およびニューヨーク近代美術館(MoMA)のインターナショナル・カウンシル・メンバーを務める。
現代アートのコレクターとしても有名。

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