宇宙背景放射
「ビッグバン以前」の痕跡を探る
著者: 羽澄 昌史
宇宙創生の姿を「観測」する!
 一三八億年前、宇宙が誕生して僅か一兆×一兆×一兆分の一秒後に発せられた信号を捉えることができたとしたら……。著者が率いる宇宙背景放射、原始重力波の観測プロジェクトは、ビッグバン以前の宇宙を描き出すインフレーション理論を実証する壮大な計画である。宇宙開闢の謎を解き明かすべく、本書は「波」「空間」「スペクトル」など物理学の基礎から「Bモード偏光」など最新の概念までを分かりやすく説き起こす。
 理論研究者たちが解説する数式の世界では味わうことのできない、最先端実験のスリリングな魅力が明らかに!

[著者情報]
羽澄昌史(はずみ まさし)
素粒子宇宙物理学者。一九六四年、愛知県生まれ。高エネルギー加速器研究機構教授、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任教授、総合研究大学院大学教授。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は素粒子物理学、時空の物理学、実験的宇宙論。ポーラーベア実験では、宇宙背景放射の偏光観測、原始重力波の探索によるインフレーション理論の検証を目指す。将来の衛星計画ライトバードも手掛けている。

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