「辺境」の誇り
―アメリカ先住民と日本人
著者: 鎌田遵
「破壊された大地だ。それでも……
我々は離れるわけにはいかない」
 開拓者精神(フロンティアスピリッツ)を大義とする白人によって土地を追われたアメリカ先住民と、原発事故により故郷と切り離された福島の人びと。原子力産業との「共生」を強いられた、青森県下北半島とアメリカの先住民居留地。そして、欧米の反捕鯨団体による執拗な妨害に耐えてイルカ漁を続ける和歌山県太地町。かつて、そこはアメリカへの移民が多数輩出した町だった……。
 国家をはじめとする巨大な「権力」や暴力的な「正義」に抵抗し「辺境」に生きる人びとを、アメリカと日本に追った渾身のノンフィクション。

[著者情報]
鎌田遵(かまた じゅん)
1972年東京都生まれ。亜細亜大学専任講師。

専門はアメリカ先住民研究。高校卒業後に渡米。アメリカ先住民や非合法移民と寝食を共にし、「辺境」を歩いてきた。カリフォルニア大学バークレー校ネイティブ・アメリカン学科卒業。同大学ロサンゼルス校大学院アメリカン・インディアン学研究科修士課程終了。同大学院公共政策・社会調査研究所都市計画学研究科博士課程修了。(Ph.D. 都市計画学)。カリフォルニア大学バークレー校社会変革研究所客員研究員(2009年4月?2011年3月)。著書に『ネイティブ・アメリカン』(岩波新書)『ドキュメント・アメリカ先住民』(大月書店)等。

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