中国の異民族支配
著者: 横山 宏章
チベット・ラサ民衆蜂起から50周年。孫文、蒋介石、毛沢東、近現代史の重要人物の言葉で、現代中国のアキレス腱、民族問題の根源を探る!
 孫文、蒋介石、毛沢東……。中国近現代史に登場したキーパーソンの言葉を検証して、中国の異民族支配の根底にある、清朝以前から変わらない華夷秩序構造をあぶりだす。そこには、異民族を排斥する「華夷之辨」と、異民族をも併せ呑む「大一統」というふたつのバリエーションがあった。後者の流れをくむ「大家庭」の概念のもと、中国の多民族は一つというコンセプトをもって、異民族を支配しつづける現代中国。チベット、ウイグルなどでは漢民族の入植が進み、異民族の文化は危機にさらされている。報道統制を潜り抜け、民族蜂起、独立運動を背景としたテロ事件が散発的に伝えられるいま、その支配論理の根源を探る。

[著者情報]
横山 宏章(よこやま ひろあき)
一九四四年山口県生まれ。一橋大学法学部卒業。法学博士。中国政治・外交史専攻。明治学院大学法学部教授、県立長崎シーボルト大学国際情報学部教授を経て、北九州市立大学大学院社会システム研究科教授。著書に『中華思想と現代中国』『反日と反中』(集英社新書)『長崎が出会った近代中国』(海鳥ブックス)『中華民国』(中公新書)『孫文と袁世凱』(岩波書店)『陳独秀』(朝日選書)他。
  • 発売日:2009年6月17日
  • 定価:本体720円+税
  • ISBN:978-4-08-720499-5

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