悪魔のささやき
著者: 加賀 乙彦
小学生殺人、放火、村上ファンドetc.…人はなぜ思わぬ悪事に手を染めてしまうのか!?精神科医として、作家として日本人の心を見つめてきた著者による緊急提言!
 人は意識と無意識の間の、ふわふわとした心理状態にあるときに、犯罪を犯したり、自殺をしようとしたり、扇動されて一斉に同じ行動に走ってしまったりする。その実行への後押しをするのが、「自分ではない者の意志」のような力、すなわち「悪魔のささやき」であるー。精神科医、心理学者、そして作家として半世紀以上にわたり日本人の心を見つめてきた著者が、戦前の軍国主義、六〇年代の学園闘争、オウム真理教事件、世間を震撼させた殺人事件など数々の実例をもとに、その正体を分析。拝金主義に翻弄され、想像を超えた凶悪な犯罪が次々と起きる現代日本の危うい状況に、警鐘を鳴らす。

[著者情報]
加賀乙彦(かが おとひこ)
 一九二九年、東京生まれ。本名・小木貞孝。東京大学医学部医学科卒業。東京拘置所医務技官を務めた後、精神医学および犯罪学研究のためフランス留学。帰国後、東京医科歯科大学助教授、上智大学教授を歴任。日本芸術院会員。『小説家が読むドストエフスキー』(集英社新書)の他、『フランドルの冬』『宣告』『湿原』『永遠の都』『雲の都(第一部 広場、第二部 時計台)』など著書多数。
  • 発売日:2006年8月12日
  • 定価:本体680円+税
  • ISBN:4-08-720354-9

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