個人と国家
―今なぜ立憲主義か
著者: 樋口 陽一
国家が国民を見捨てるとき「個人の尊厳」をいかに守っていくのか?
個人、国家、自由、民主、人権、政教分離、そして憲法。自明のこととして普段なに気なく使っているこれらの言葉の持つ本来の意味を考えながら、個人にとって国家とは何か、憲法とは何かを考えていく。あらゆる政治体制が「民主」という名において説明される現代において、「民主主義」という言葉は何も語っておらず、個人が個人として尊重される社会を確立するためには、国家の権力をも制限する立憲主義を再認識して、「憲法」を本気で議論すべきであると著者は説く。

[著者情報]
樋口陽一 (ひぐち よういち)
一九三四年仙台市生まれ。現在早稲田大学法学部教授。東北大学法学部卒業。東北大学名誉教授、パリ大学名誉博士、東京大学名誉教授。『近代立憲主義と現代国家』(勁草書房)で日本学士院賞受賞。『比較のなかの日本国憲法』『自由と国家-いま「憲法」のもつ意味-』(以上岩波新書)、『比較憲法』(青林書院)、『先人たちの「憲法」観-“個人”と“国体”の間-』(岩波ブックレット)など著書多数。
  • 発売日:2000年11月17日
  • 定価:本体740円+税
  • ISBN:978-4-08-720067-6

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