【悠久の歴史へのもうひとつの扉】
『アジア人物史』全12巻は、多様で広大なアジア・ユーラシア大陸を舞台に、古代から21世紀までの歴史を、そこに生きた有名無名の人物に光を当てながら描き出した壮大なアジア通史である。
本書は、その刊行に際して付された「月報」に大幅な加筆・再構成を施し、一冊に集成した決定版。姜尚中と各地域の第一線の研究者である編集委員との12回にわたる対談、現代日本を代表する書き手によるエッセイを通して、人物から読み解くアジア史の奥深さと面白さを伝える。時代と地域を超えて織りなされる歴史を、より深く、自由に考えるための一冊。
【目次】
はじめに 姜尚中
I 「アジアの始まり」を多層的に読み解く 姜尚中×古井龍介
まだ手をつけられていない宝の山 原 泰久
II 古代アジアの興亡を彩る「人物」の躍動 姜尚中×李成市
人間の仕事としての「列伝」 内田 樹
III 世界宗教の「普遍」はアジアに何をもたらしたのか 姜尚中×妹尾達彦
人間という生態の本質 ヤマザキマリ
IV 地域の違いを超えたアジアの共時性 姜尚中×三浦 徹
豊かな時代に 佐藤賢一
V モンゴル帝国は私たちの歴史観をどう変えるか 姜尚中×小松久男
雲の影 北方謙三
VI 外から内へ、多様性が生まれ出る「ポスト・モンゴル」時代 姜尚中×青山 亨
「反復された帝国」の経験 大澤真幸
VII 近世アジアの「帝国」に学ぶ二一世紀の可能性 姜尚中×三浦 徹
グローバリゼーションを生きた人々 田中優子
VIII アーリーモダンに到来したアジアの黄金時代 姜尚中×村田雄二郎
会いたい人 浅田次郎
IX アジアの文明化と包摂された多様性の行方 姜尚中×成田龍一
会ったことのない友人 高橋源一郎
X 現在と過去の回廊をつなぐアジアの近代 姜尚中×成田龍一
脱植民地化の課題は果たされていない 上野千鶴子
XI 歴史の大変動と勃興するアジアの「民族主義」 姜尚中×重松伸司
「われわれの過去」と「かれらの過去」 テッサ・モーリス-スズキ
XII 未完の「アジアの世紀」から生まれ出る可能性とは 姜尚中×伊東利勝
冷戦に翻弄された戦後アジア 池上 彰
おわりに アジア人物史編集長・落合勝人
『アジア人物史』全12巻 編集後記/次回配本 章立て一覧
【監修】
姜尚中(カン・サンジュン)
1950年生まれ。政治学者。東京大学名誉教授、熊本県立劇場館長。集英社創業95周年記念企画『アジア人物史』総監修を務める。著書は100万部超の『悩む力』の他、『マックス・ウェーバーと近代』『オリエンタリズムの彼方へ』『ナショナリズム』『朝鮮半島と日本の未来』『在日』『母―オモニ―』『心』などがある。