陸戦隊と暁部隊
ヒロシマの秘史を追う
著者: 佐田尾 信作
1945年夏、広島県呉の山中で地雷を抱えて戦車に突き進む訓練に従う若者たち。
海軍の「陸戦隊」として「本土決戦」に備えていたところ、原爆投下直後の広島へ救援に向かえと命じられる。
一方、水上特攻艇マルレの要員を含む陸軍の船舶部隊「暁部隊」も同じく焦土の広島へ。
しかし、彼らが被爆した証を立てるまでには長い年月が必要だった――。
陸戦隊の元水兵を父に持つ著者。20年にわたって関係者たちの証言に耳を傾け、文献、手紙、ラジオ音源などを読み解いて、あの夏の名もなき兵たちを追う。

◆目次◆
はじめに 「大和」生還者から父への手紙
第一章 乗るフネのない水兵たち
第二章 山中の「自爆訓練」
第三章 呉海軍、広島ニ急行ス
第四章 七人衆からの「川原石会」
第五章 「マルレ」を焼いた日
第六章 「決死」か「必死」か
第七章 百歳の原爆手帳
おわりに 旧軍港「覚醒」に思う

◆著者略歴◆
佐田尾信作 (さたお しんさく)
ジャーナリスト。1957年島根県出雲市生まれ。大阪市立大学文学部卒業。
広島を拠点に取材活動45年。2025年12月現在は中国新聞客員編集委員、日本ペンクラブ会員、宮本常一記念館運営協議会委員。
著書に『宮本常一という世界』『風の人宮本常一』、共著に『われ、決起せず 聞書・カウラ捕虜暴動とハンセン病を生き抜いて』(いずれも、みずのわ出版)など。

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