消えたイングランド王国
著者: 桜井 俊彰
魂を揺さぶる、勇者たちの物語。
わずか一四二年。歴史の狭間で流星のように輝き、
消えていった王国があった。
 一〇六六年、いわゆる「ノルマンの征服」によって、王や貴族、上級聖職者などイングランド王国の支配者層はことごとく、アングロサクソン人から仏語を母語とする「フランス人」に代わった。
 顧みれば、その僅か一四二年前にアングロサクソン諸王国を統一し誕生したこの王国の短い治世は、北欧世界から襲来する侵略者との戦いの歴史だった。だが、それは戦場に斃れたアングロサクソン人たちのヒロイックな生き様と共に、ひときわ眩しい光彩を放った時代として、今なおイギリス人の心に深く刻み込まれている。本書は、歴史の狭間に消えゆく故国に命を賭した、誇り高き、最後のアングロサクソン戦士たちの史録である。

[著者情報]
桜井俊彰(さくらい としあき)
一九五二年、東京都生まれ。エッセイスト、歴史家。一九七五年、國學院大學文学部史学科卒業。一九九七年、ロンドン大学ユニバシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)史学科大学院中世学専攻修士課程(M.A. in Medieval Studies)修了。主な著書に『僕のロンドン』『英国中世ブンガク入門』『英語は40歳を過ぎてから』『イングランド王国前史』『イングランド王国と闘った男』など。

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