イスラームとの講和
文明の共存をめざして
著者: 内藤 正典 中田 考
休戦は可能である
西欧原理との棲み分けと、紛争回避をイスラーム法で考える
 イスラームへの無理解と差別に根ざした欧米社会における軋轢。混迷を深める中東情勢。「文明の衝突」への憂慮から、これまで諸宗教や世俗主義者間の対話が様々な所で行なわれてきたが、現状を見る限り「対話」は残念ながら現実の紛争を止める力にはなりえなかった。
 イスラームと欧米の原理は、もはや「お互いを理解し合い、共約することは不可能である」という前提に立ち、これ以上の犠牲を避け、共存をめざすために「講和」を考える段階に来ているのではないか。中東研究の第一人者とイスラーム学者が、イスラーム法をふまえ、その理路と道筋を、世界に先駆けて語り合う。

[著者情報]
内藤正典(ないとう まさのり)
一九五六年東京都生まれ。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。『トルコ 中東情勢のカギをにぎる国』(集英社)、『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』(集英社新書)他著書多数。

中田 考(なかた こう)
一九六〇年岡山県生まれ。イスラーム学者。同志社大学客員教授。『カリフ制再興』(書肆心水)、『イスラーム法とは何か?』(作品社)、『イスラーム生と死と聖戦』(集英社新書)他著書多数。

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