宇宙論と神
著者: 池内 了
天文学の歩みは、宇宙を追い求めながら、神に肉薄してきた歴史でもある--。
物語を読むように、宇宙像の変遷がわかる!
 古来、宇宙とは人々が住む村の界隈のことであった。そこで語られる宇宙創成神話が彼らの宇宙観を形成し、やがて太陽や月、惑星などが織り成す秩序立った美しい世界が明らかになると、人間は天と神の存在を結びつけていく。そして望遠鏡の発明を機に、人々が認識できる宇宙は太陽系を越え、銀河宇宙へと広がっていった。天は幾層にも重なった構造を持つことが分かり、そこに鎮座する神は次々と居場所を変え、容易にその姿をつかませない。
 本書は、宇宙と神の関わりをひもとき、天文学の歴史の中で科学者たちが積み上げてきた宇宙論の変遷をたどる。

[著者情報]
池内 了(いけうち さとる)
一九四四年兵庫県生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。同大大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。総合研究大学院大学教授。『科学の考え方・学び方』で講談社出版文化賞科学出版賞(現・講談社科学出版賞)受賞。『物理学と神』、『宇宙論のすべて 増補新版』、『観測的宇宙論への招待 宇宙はいかに解明されてきたか』、『科学の限界』、『現代科学の歩きかた』など著書多数。

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