近代天皇論
――「神聖」か、「象徴」か
著者: 片山 杜秀 島薗 進
民主主義を救う鍵が「お言葉」に。
国民国家・日本が崩壊寸前。
今、なぜ、「退位」なのか?
 天皇は神の子孫たる「神聖」な権威なのか、「国民の統合」の「象徴」なのか。退位問題をきっかけに天皇とは何かについて新たな論争の火蓋が切られた。
 折しも資本主義が限界に達した日本。経済成長のためなら「国民の分断」もやむなしとするのが政権与党だが、「国民の統合」が危機に瀕し、民主主義の基盤が揺らぐこの時代にあるべき天皇像とはいかなるものか。
 この問題を国民が真に考えるためには、幕末にまで遡り、わが国固有の伝統と西欧文明との間で揺れ続けた日本の近代の中の天皇の姿と向き合わねばならない。
 戦前右翼思想を熟知する政治学者と国家神道研究の泰斗が、この難題に挑む画期的な対論!

[著者情報]
片山杜秀(かたやま もりひで)
一九六三年生まれ。政治学者。政治思想史研究者。慶應義塾大学法学部教授。主な著作に『未完のファシズムー「持たざる国」日本の運命』(司馬遼太郎賞受賞)、『近代日本の右翼思想』など

島薗 進(しまぞの すすむ)
一九四八年生まれ。宗教学者。東京大学名誉教授。上智大学大学院実践宗教学研究科教授、同グリーフケア研究所所長。専門は日本宗教史。日本宗教学会元会長。主な著作に『国家神道と日本人』など。

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