資本主義の克服
「共有論」で社会を変える
著者: 金子 勝
個人の自由と平等を保障しつつ成長を遂げる唯一の手段!
歴史的転換期に格差を是正するには、「共有」しかない。
 資本主義の歴史を俯瞰し、著者はその歩みを、国民国家の膨張とその衝突と捉える。その中で、戦争や大恐慌などの歴史的転換期に起きる「非線形変化」と、経済循環による「波動」をつかむことで、危機的状況にある資本主義の病理を浮き彫りにする。
 税制や社会保障制度などの新たな枠組みは、今日のような歴史的転換期に更新されていく。そこに、これらの制度やルールの空白が生じ、「独占」が生まれる。
「独占」に抗し、「失われた30年」とも言われる閉塞状況を打破するには、社会を変えていく原理として、制度やルールの「共有」が有効となる。個人の自由と平等を保障しつつ、新しい産業構造への転換を促す道を提示する。

[著者情報]
金子 勝(かねこ まさる)
経済学者。一九五二年、東京生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得修了。慶應義塾大学経済学部教授。専門は財政学、制度経済学、地方財政論。おもな著書は『新・反グローバリズム』(岩波現代文庫)、『「脱原発」成長論』(筑摩書房)。共著に『儲かる農業論』(集英社新書)など。

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