100年後の人々へ
著者: 小出 裕章
「生まれ変わったら、生涯を廃炉技術に捧げたい」。
反原発運動のシンボル的な科学者が、3・11から三年、痛切な思いを吐露する。
「元々は、地質学者になりたかったのです-」。鉱石採集が大好きだった少年は、「核の平和利用」のキャンペーンに呑み込まれ、原子力開発の夢を追うようになった。
 だが、いち早くその詐術と危険性に気づき、その後、原発をなくすための研究と運動に半生を捧げてきた工学者・小出裕章は、三・一一から三年が経過しようとしている今、何を思うのか。そして、過去からの膨大な負債に苦しむであろう一〇〇年後の人々に「こんな事故を起こした時代に、お前はどう生きたのか」と問われる場面を想像しながら述べた言葉とは?

[著者情報]
小出裕章(こいで ひろあき)
一九四九年、東京生まれ。京都大学原子炉実験所助教。六八年、原子力の平和利用を夢見て、東北大学工学部原子核工学科に入学するが、七〇年、女川原子力発電所建設計画への反対集会に参加して以来、一貫して反原発の立場から研究と発言を行う。七四年、東北大学大学院工学研究科修士課程修了(原子核工学)。専門は放射線計測、原子力安全。著書に『原発のウソ』など多数。

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