司馬遼太郎の幻想ロマン
著者: 磯貝 勝太郎
『ペルシャの幻術師』『戈壁の匈奴』…。
”幻想小説家”司馬遼太郎が遺した情念の世界
 『坂の上の雲』『竜馬がゆく』など大衆的な歴史小説家としての司馬遼太郎はよく知られているところ。また、独特の史観で書かれた数々の評論、随筆も物故後の今も多くの読者を得ている。だが、初期の作品群『ペルシャの幻術師』『戈壁の匈奴』等を読むと、司馬は卓越した幻想小説家であったことがわかる。大衆歴史小説家のイメージとは異なる、司馬のもう一つの作家性に秘められたものとは何だったのか。本書は、司馬遼太郎が遺した爛熟の幻想世界の秘密に初めて迫る評論である。

[著者情報]
磯貝 勝太郎(いそがい かつたろう)
一九三五年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。文芸評論家。八三年、長年の大衆文学評論の業績から第十八回長谷川伸賞、二〇〇一年には著作『司馬遼太郎の風音』(日本放送出版協会)で第十四回尾崎秀樹記念大衆文学研究賞(評論・伝記部門)受賞。ほか著作に『歴史小説の種本』(日本古書通信社)、共著に『司馬遼太郎について』(日本放送出版協会)等がある。

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