電力と国家
著者: 佐高 信
「民」vs「官」の死闘の末、「原発」という「怪物」は、
なぜ誕生したのか?
 軍部と革新官僚が手を結び、電力の国家統制が進んだ戦前、「官吏は人間のクズである」と言い放って徹底抗戦した電力の鬼 松永安左エ門、「原爆の洗礼を受けている日本人が、あんな悪魔のような代物を受け入れてはならない」と原発に反対した木川田一隆など、かつて電力会社には独立自尊の精神を尊び、命を賭して企業の社会的責任を果たそうとする経営者がいた。フクシマの惨劇を目の当たりにした今こそ、我々は明治以来、「民 vs.官」の対立軸で繰り返されてきた電力をめぐる暗闘の歴史を徹底検証し、電力を「私益」から解き放たねばならない。この国に「パブリックの精神」を取り戻すところから、電力の明日を考える。

[著者情報]
佐高 信(さたか まこと)
一九四五年山形県生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。高校教師、経済誌編集長を経て、評論家として活躍。著書に『逆命利君』『福沢諭吉伝説』『竹中平蔵こそ証人喚問を』『誰が日本をここまで不幸にしたか』『原発文化人50人斬り』、『日本論』(姜尚中との共著)、『ベストセラー炎上』(西部邁との共著)ほか多数。

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