もうすぐ日本では、
盲腸手術で200万円払わなければならなくなる――?
こんなおそろしいシナリオが、間近に迫っている。
そう、「医産複合体」というモンスターによって、私たち日本人の「いのち」と「老後」が、「投資商品」と化しつつあるのだ!
ウォール街と多国籍企業の最強タッグが、マスコミと政治を手に入れ支配する株式会社アメリカ。新たな市場を貪欲に求め続ける彼らが次に狙いを定めているのは、〈世界一の国民皆保険〉をもつ最高速高齢化社会「日本」だ。
保険証一枚で「いつでも、どこでも、誰でも医療が受けられる」という世界でも希少な日本の医療。だが私たちはどこまで気づいているだろう? 誰も関心を抱かないこの制度に、数十年前から魔の手がのびていることに。
次々に進む医療と介護報酬切り下げ、猛スピードで次々に成立する法律。医師たちの苦悩も限界に達している。
その裏に誰がいるのか――?
綿密な取材と膨大な一次資料を使い、1%側がしかけるマネーゲームのからくりを解き明かし、日本の最大の宝である「国民皆保険」を死守すべく、未来への提言も盛り込んだ警告の書。
ベストセラー『沈みゆく大国 アメリカ』の姉妹編、待望の刊行!!
・「世界最速で高齢化する日本は、投資家たちのドリームランド」
・「ヒトラーのやり方に学べ〜経済財政諮問会議」
・「超高速な新薬承認のウラ」
・「国民皆保険は邪魔だからなくせ!(by アメリカ)」
・「TPPより怖いTiSAって何?」
・「お年寄りは早く死んでね(後期高齢者医療制度)」
・「給料安くて介護職員が辞める? じゃあ外国人で!」
・「高齢化が医療を破綻させるは、ウソ? ホント?」
・「何が医療費を押し上げているのか?」
・「医師は足りている? 余っている?」
・「給食で医療費を下げる!」
・「国の責任転嫁を逆手にとろう」
・「総理、医療を成長産業にしましょう!」
序章 「臨終」の格差
第一章 オバマもびっくり! こんなにアメリカ化していた日本医療
第二章 ㈱アメリカに学ぶ、大衆のだまし方
第三章 マネーゲームから逃げ出すアメリカ人
第四章 逃げ切れ! 日本
史上最強の超大国をもゲーム上のコマとしてしまう「1%の超・富裕層」は、これまでに、石油、農業、食、教育、金融の領域で、巨万の富を蓄積してきた。恐るべきことに、彼らの次のターゲットは、人類の生存と幸福に直結する「医療」の分野だった。
米国の医療費は総額2.8兆ドル(200兆円)。 製薬会社と保険会社、そしてウォール街が結託する「医産複合体」は、病気を抱えるもっとも弱い立場の人々をカモに、日々、天文学的な収益を上げつづけている。
「がん治療薬は自己負担、安楽死薬なら保険適用」
「自己破産理由のトップは医療費」
「夢から覚めたら保険料が二倍に」
「一粒10万円の薬」
「高齢者医療費は三分の一にカット」
「自殺率トップは医師」
「手厚く治療すると罰金、やらずに死ねば遺族から訴訟」
「安い早い! ウォルマートがあなたの主治医になります」
これらはフィクションではない、これは超大国で進行中の現実の事態なのだ。
そして、その巨大な波は、太平洋を越えて日本に達しようとしている――!!
稀代のアメリカ・ウォッチャーである著者が、完全崩壊した米国医療の実態とその背景を入念な取材により炙り出した、渾身のノンフィクション!
■はじめに 父の遺言 (クリックして「はじめに」を読む)
■序章 「1%の超・富裕層」たちの新たなゲーム
■第一章 ついに無保険者が保険に入れた!
■第二章 アメリカから医師が消える
■第三章 リーマンショックからオバマケアへ
■第四章 次のターゲットは日本