近年、日常生活の様々な場面において、理性よりも「感情」に訴える主張が注目を集めている。それは、SNSの炎上や、職場での過剰なサービス精神の強要、選挙戦で感情的に訴える候補者が優位になりやすいという現象にも見られる。
本書では、国家や企業、共同体が、巧妙に感情的な共感を引き出し、献身や購買といった形で人々を動員していることを詳述。そして、もっともらしいだけで中身のない議論に騙されず、感情で釣られないための対策として、「冷静に考える」ための条件や環境を整える方法を示す。注目の政治社会学者による革新的論考。
著者紹介
堀内進之介(ほりうちしんのすけ)
一九七七年生まれ。政治社会学者。現代位相研究所・首席研究員。青山学院大学大学院非常勤講師。朝日カルチャーセンター講師。専門は、政治社会学・批判的社会理論。単著に『知と情意の政治学』、共著に『人生を危険にさらせ!』、『悪という希望―「生そのもの」のための政治社会学』など多数。
目次
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第一章●自分で決められる? 感情で釣られる人々
・何のために働くのか
・やりがいと搾取の間
・私たちは「0円」で何を買っているのか? -
第二章●マーケティングの中の「自分らしさ」
・つながりの消費
・誰のための「自分らしさ」
・その「いいね!」で大丈夫? -
第三章●感じる政治
・「誰に投票していいか分かりません」
・貧困・階級・差別
・「ファシズム」の魅力 -
第四章●私たちはどういう社会を生きているのか
・コミュニティの限界
・グローバリゼーションという名の妖怪
・複雑な世界、単純さを求める「わたし」 -
第五章●自分自身をよく知る(釣る)ために
・シェアする政治
・政治の技術化、技術の政治化
・統治される者のための統治 (見出し抜粋)
メディア情報
- 雑誌
- 『青春と読書』8月号 「今月のエッセイ」
- 『週刊 東洋経済』2016.8.27号 新刊新書 サミング・アップ
- 新聞
- 「日本経済新聞」 7月17日(日) 書評
- 「朝日新聞」 8月14日(日) 書評
イベント情報
- 刊行記念対談
『感情で釣られる人々 なぜ理性は負け続けるのか』(集英社新書)刊行記念
「感情」が動員される社会を生き抜くには? 満員御礼
姜 尚中(政治学者)× 宮台 真司(社会学者)× 堀内 進之介(政治社会学者) - 日時:2016年09月13日(火) 開場:19:00 開演:19:30
- 場所:ジュンク堂書店池袋本店
- 詳細は、ジュンク堂イベント情報のページをご確認下さい
- ※入場料はドリンク付きで1000円です。
- ※事前のご予約が必要です