<ヴィジュアル版>
サハラ砂漠 塩の道をゆく
著者: 片平 孝
かつてサハラの奥地に金と同じ重さで取引された岩塩があった。
42日間、1500キロ。「いのちの塩」を求めて。
八?十六世紀、西アフリカ内陸部の地に興隆したいくつかの黒人国家は、サハラ砂漠を越えて北から運ばれて来る岩塩と南からの金や象牙、奴隷などの交易で繁栄したという。そして、その中心には伝説の“黄金都市”があった。それらの国家はすべて消え去ったが、住持のままに岩塩が切り出されるタウデニ鉱山と、ラクダのキャラバン「アザライ」によってかつての黄金の都・トンプクトゥに運ばれる塩の交易は、二一世紀の現在も続いている。写真家の著者は、三〇年来の夢を叶え、トンプクトゥからタウデニ鉱山へ往復一五〇〇キロ、アザライに密着する命がけの旅を敢行した。これは、美しい写真と共に綴られた四二日間の過酷なキャラバンの記録である。

[著者情報]
片平 孝(かたひら たかし)
一九四三年、宮城県生まれ。日本写真家協会会員。一九六九年?七三年、サハラに魅せられ、砂漠の旅を続ける。一九七二年、ハウサ族のラクダのキャラバンに密着しサハラ「塩の道・東西ルート」を踏破。この時命懸けで塩を運ぶ人々の姿に感動し、以来、塩を産出する土地を求め、世界中で取材を続けている。国内では唯一、その結晶の美しさから、樹氷など雪や氷を撮影している。本書は、二〇〇三年、還暦をまたいでサハラ「塩の道・南北ルート」の同行取材に成功したときの記録。主な著書に『塩 地球からの贈り物』『雪と氷の大研究』『おかしなゆき ふしぎなこおり』『砂漠の世界』など。

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