オリンピックと商業主義
著者: 小川 勝
間もなく始まるオリンピックの
「感動」の売り買いは、どこまで許されるのか?
 オリンピックをテレビ観戦していると、他のスポーツイベントとは「風景」が違うことに気づく。それは「会場に広告看板がない」からだ。クーベルタンが理想を掲げて創始した近代オリンピックの「格式」は、そのような形で今も守られている。
 だが舞台裏では、莫大な放映権料やスポンサー料がIOCの懐を潤し、競技自体にまで影響を及ぼすという実態がある。一方で、その資金のおかげで税金の投入が回避され、途上国の選手が参加できるという現実もある。果たして、オリンピックが「商業主義」を実践するのは是なのか非なのか。本書は、五輪礼賛でも金権批判でもないスタンスで、この問題を深く掘り下げる。

[著者情報]
小川 勝(おがわ まさる)
一九五九年生まれ。スポーツライター。青山学院大学理工学部卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。プロ野球、北米四大スポーツ、オリンピック取材などを担当し、編集委員に。二〇〇二年に独立。著書に『10秒の壁─「人類最速」をめぐる百年の物語』(集英社新書)、『イチローは「天才」ではない』(角川oneテーマ 21)、『幻の東京カッブス』(毎日新聞社)など。

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