長崎 唐人屋敷の謎
著者: 横山 宏章
出島以上に江戸期の貿易の主体でありながら、
忘れられた秘密の領域にタイムスリップ。
鎖国時代に存在した、不思議な中国ワールド。
 江戸時代の長崎に、唐人屋敷という中国ワールドがあった。鎖国政策を実施した徳川幕府の貿易の中心は、出島よりもこの唐人屋敷だったのだ。高い塀に囲まれた一画に、長崎奉行の厳しい監視のもと、多いときには二、三千人の中国人たちが暮らしていた。彼らは貿易を通じて、様々なモノや文化を日本にもたらした。特別な役人や遊女だけが入ることができたという唐人屋敷とは、どのような世界だったのか。残された史料や絵図をもとに、その実態を明らかにする。

[著者情報]
横山 宏章(よこやま ひろあき)
一九四四年山口県生まれ。北九州市立大学大学院社会システム研究科教授。専門は中国政治・外交史。一橋大学法学部卒業後、同大学院法学研究科博士課程満期退学。法学博士。明治学院大学教授、県立長崎シーボルト大学教授を経て現職。著書に『中国の異民族支配』『中華思想と現代中国』『反日と反中』(集英社新書)、『陳独秀の時代』(慶應義塾大学出版会)、『中華民国』(中公新書)、『長崎が出会った近代中国』(海鳥社)他。

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